2011第23回日本選手権(9/224-25 京都・南丹市日吉町)
2015/03/22
梶山(能)、初の日本制覇!!・レディスは野中が2年ぶりV!
~マスターは、坂井が圧勝でV・Gマスターは六本木が吉岡を振り切りV~
2011年日本選手権が、朝晩めっきり寒さを増した初秋の京都で開催された。 昨年の日本オープン開催のコースは、やや長さを増し、昨年より難度を上げた設定へと変貌していた。
天候は、不安定だったものの、期間中大きな崩れもなく、好コンディションの下、大会が行われた。土曜の夜行われた屋外でのプレイヤーズパーティーは、気温が下がって寒さが心配されたが、この寒さが逆に、火の回りに参加者を集め、盛り上がりを作り出す好条件となった。2010のポイントランキング表彰、パット大会なども行われ、とても楽しい選手間交流の場となった。食材にも珍しいものが多く、主催者のご苦労が覗えるメニューとなっていた。
大会の方は、1R目から大混戦となった。オープン部門では、3差の中に6人が犇く状態。そんな中、一歩抜け出したのは実広、2位タイに2差をつけ単独でトップ。2位タイには、梶山(能)、石原、松田。3差5位タイに菊地、白井が続く展開となり、1ラウンド目のアンダーパーはこの6名となった。
阿蘇、関西と連覇した大石は2オーバーの7位タイとやや出遅れる。
2ラウンド目、6アンダーパーの55で実広、梶山、菊地が回る。58で石原、ここまでがトップグループ。1アンダーパーの60で松田、白井、3オーバーの64で回った大石、健闘の福田までが第2グループ。
結局、準決勝までこのグループ分けは変わらなかった。
注目の準決勝。トップグループと入れ替わりはあるのか?4位石原と5位松田まで2差。トップは、2位実広に6差をつけた梶山(能)が逃げる。
準決勝、第2グループでは、残り2ホールをバーディーで締めくくった大石が、準決勝全体でのベストスコア26。逆に、もう1つスコアを伸ばしたい白井と松田は攻めに出て残り2ホールをボギーとした白井が27。伸ばしきれなかった松田が29、健闘の福田も29で締めくくった。この時点で2グループのトップは白井で-5。松田が-4という結果となった。
そして、5分後に戻ってきたトップグループの結果は、菊地、石原が-6、実広-9、梶山-15、惜しくも第2グループからの入れ替わりは無かった。
<決勝は、スコアラーから見た観戦記を少し書いてみよう>
前半、好調な滑り出しを見せたのは実広と菊地。中盤では、梶山との差を6から3とした実広だったが、そこからがスコアが伸びない。一方、菊地は、トップと9差の気楽さからか、伸び伸びプレーで、バーディーを重ねていく。
そんな中で、試合をじっくり楽しむように、淡々とホールを進めるのが石原。遠投力、柔らかいショット、パットの精度も格段に進歩し、このコースには一番適していると思えるのだが、気になるのは、傍にいても、勝負に対する執念がまるで伝わってこない点だ。勝負に拘りを見せるのはいつか。暫くは参加する大会から目が離せない。
話を戻して、最終ホールとなった9番ホール。トップ梶山とは9差あった菊地が4差。梶山のビクトリーロードに相応しいホールがセットされた。180mオーバーのコースは、中央のOBエリアがゴール15mまで続く、2投目が100m程度のアプローチとなる。
1投目、2人ともベストのポジション。梶山の2投目、決勝に入って緊張からか、ややぎこちないラウンドをしてきたが、ここにきて、一気にアドレナリンが噴出か?70mほどのOBエリアに向かって叩きつけるようなローアングルのショット・・・OB。菊地は安定したショットでバーディー(3)確実なエリアに。梶山は、ゴールまで90mのOBラインからのスロー。右から迂回すると5投目のアプローチがかなりのプレシャーとなる。意を決してダイレクトにピンを責める選択をした梶山。90mは微妙な距離となる。ゴール奥15mにもOBラインが切られている。フルショットは出来ない。梶山の脳裏には、早く終わってほしいの思いが満ちているに違いない。日本選手権初優勝を賭けた1投はOB内に着地、スキップしてセーフゾーンに止まった。ゴールまで9m。この1投で、精神的に変貌を遂げた梶山に9mパットに集中する気力は残っていない。リードをフルに使って置きに行った選択に、場内から安堵のため息と大きな拍手が沸き起こった。
修羅場を潜り抜けて、優勝に絡む常連がまた一人確実に増えたことを告げる決勝9番ホールだった。
<その他の結果>
レディスは、上位4人の混戦から、野中がこのコースで連破を飾った。
マスターは、体調が十分でないと言っていた坂井が、前半から楽な試合展開で圧勝。ここのところ急激に力を付けてきた、プロ1年目の黒田が2位に入った。3位は決勝で千葉を逆転した藤井が食い込んだ。
Gマスターは、常勝六本木が、岡山の吉岡を2ラウンド目に逆転してそのまま逃げ切った。